塗り薬には軟膏とクリームがあります。
軟膏とクリームでは性質が異なりますので、スキンケアの際には使い分ける必要があります。
まず軟膏薬は、ワセリン(保湿効果のある軟膏基材)がベースとなっているため、薬剤そのものには水分が含まれていません。そのため、肌が乾燥状態のままで軟膏薬を塗っても、角質層には水分が十分にない状態となってしまいます。
これでは肌の乾燥そのものが緩和されません。
病院によっては、薬剤と一緒にワセリンが処方されることもありますが、角質層に水分が少ない状態ですと乾燥は防げないのです。
もちろん、薬剤は炎症を抑えるので、炎症によるかゆみ止めには効果的です。しかし、角質層が乾燥していると、かゆみを知覚する神経線維が真皮から角質層内に侵入しやすくなります。
このように、免疫反応とは関係ない乾燥など外部からの刺激によるかゆみに対しては、薬剤は効果を発揮できないのです。ですので、軟膏薬を使用する場合は、ぬる前にしっかり保水してから薬をぬるようにしましょう。
また、クリームは、水と油分を乳化させて作るため、ある程度の水分を含んでいます。
しかし、クリームを使う目的は、薬剤の成分を肌によく浸透させることで、肌の保湿や保護のためではないのです。保水はある程度できても、十分な保湿効果があるとはいえません。
ですので、クリームの塗り薬を使用する場合は、ぬった後の水分蒸散量を減らすことが大切です。
ぬった後にプラスして「保湿」を意識したスキンケアを行うようにしましょう。
塗り薬を使う際、大切なのは、薬を塗る順番です。
まず、保水が必要な場合は、これを一番最初に行います。薬を塗った後に水分系のローションなどを使用しても、薬に含まれる油脂が水分の角質層への到達を妨げることになります。
必ず水分系のアイテムを使用した後で、薬を塗りましょう。
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