メタボの原因となる脂肪ですが、脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪があります。
皮下脂肪は、皮膚のすぐ下にある脂肪のことで、内臓脂肪は内臓の周囲につく脂肪のことです。皮下脂肪は減りにくく、内臓脂肪はつきやすく、減りやすいという性質があります。
【皮下脂肪】
皮下脂肪は、からだの熱が逃げないようにする保温の役目、また大切な内臓を外力などの衝撃から守る働きなどをしています。お尻や太ももに多く存在します。女性ホルモンは、内臓脂肪よりも皮下脂肪を蓄える傾向があることから、女性は皮下脂肪を蓄積しやすいといえます。
【内臓脂肪】
男性ホルモンは、筋肉量を増やすとともに、内臓脂肪を蓄積させる作用があります。
そのため、内臓脂肪は女性より男性に蓄積しやすいという特徴があります。この内臓脂肪の量は、正確には、3次元で広範囲に調べなければ測定することはできません。そのため、2次元ではありますが、X線CT装置によって脂肪面積を測り、内臓脂肪量を判断します。おへのの位置で断面写真を撮り、この断面写真で内臓脂肪面積が100cm2以上の場合、内臓脂肪型肥満と判断されます。
ただ、メタボの診断で、X線測定より容易に測定できる腹囲測定で判断されています。
内臓脂肪が体内に多くたまっていると、血圧値や血糖値、中性脂肪値が上昇します。
しかも、それぞれの数値の異常が軽度であっても、将来的に糖尿病や高血圧、脂質異常症になることも少なくなく、さらに、これらの数値の異常が複数重なることで、心筋梗塞などの心血管疾患を起こす危険性も上昇するのです。
このため、内臓脂肪を減らして、さまざまな生活習慣病や心血管疾患を予防しようというのがメタボ対策の基本的な考えなのです。
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